Mac でウィンドウを並べる作業、意外と面倒じゃないですか。
Windows ならウィンドウを画面端にドラッグするだけでパッと半分サイズになるのに、macOS だとそれがない。緑のフルスクリーンボタン長押しで Split View が使えるけど、正直使いづらい。
日本だと Rectangle や Magnet がよく紹介されていますが、海外の開発者コミュニティでは、もっと便利なアプリが話題になっています。Loop、Aerospace、Moomあたりは、日本ではまだあまり知られていないけど、かなり評価が高いんです。
この記事では、定番アプリから海外で話題の新しいアプリまで、用途別に紹介していきます。
ウィンドウ管理アプリ比較表
| Rectangle | Loop おすすめ | Aerospace | Moom | Magnet | |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格 | 無料 | 無料 | 無料 | $15 | ¥490 |
| 対応OS | macOS 10.15+ | macOS 13+ | macOS 13+ | macOS 10.9+ | macOS 10.12+ |
| マウス操作 | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
| タイリング型 | × | × | ○ | × | × |
| レイアウト保存 | × | × | ○ | ○ | × |
| オープンソース | ○ | ○ | ○ | × | × |
Macでウィンドウ管理アプリが必要な理由
そもそもなぜ Mac にはウィンドウ管理アプリが必要なのか。Windows から乗り換えた人は特に感じると思いますが、macOS のウィンドウ管理は控えめに言って「足りない」んですよね。
macOSの標準機能の限界
- ウィンドウスナップがない(画面端にドラッグしても吸着しない)
- Split View はフルスクリーン必須で使いにくい
- キーボードショートカットでの位置調整ができない
海外の開発者フォーラムでも「Mac に乗り換えて最初に入れるアプリはウィンドウマネージャー」という意見が多いです。特に 4K モニターや外部ディスプレイを使う場合、ウィンドウを効率よく配置できないと作業領域が活かせません。
大画面モニターでコーディングする場合は、プログラミング用4Kモニターの選び方の記事も参考にしてみてください。
定番アプリ:まずはここから
Rectangle(無料)
日本・海外問わず一番おすすめされているのが Rectangle。無料でオープンソース、シンプルで使いやすい。初めてウィンドウ管理アプリを使う人にぴったりです。
主な機能
- キーボードショートカットでウィンドウを左半分・右半分・四分割などに配置
- 画面端へのドラッグでスナップ
- カスタマイズ可能なショートカット
ショートカット例
Ctrl + Option + 左矢印:左半分
Ctrl + Option + 右矢印:右半分
Ctrl + Option + Enter:最大化
Ctrl + Option + C:中央に配置
ただ、Rectangle は「基本的なニーズには十分だけど、カスタマイズ性は限定的」という評価もあります。より細かく設定したい人は、有料版の Rectangle Pro か、後述する別のアプリを検討してみてください。
Magnet(有料・490円)
Mac App Store で長年人気のアプリ。Rectangle との違いは、Mac App Store から購入できる安心感と、設定 UI の分かりやすさ。機能的には Rectangle と大差ないので、お好みで選んで大丈夫です。
BetterTouchTool(有料・$12〜$24)
BetterTouchTool はトラックパッドジェスチャーのカスタマイズで有名ですが、実はウィンドウスナップ機能も優秀です。
僕も使っていますが、Mac標準のSplit Viewよりもスナップの認識が優しいのが気に入っています。ウィンドウを画面端に近づけたときの反応がちょうどいい感じで、狙った位置に配置しやすいんですよね。
すでに BetterTouchTool をジェスチャー用に使っている人は、別途ウィンドウ管理アプリを入れなくてもこれ一本で済むかもしれません。
番外編:ウィンドウ切り替えアプリ
ウィンドウ管理とセットで使いたいのが、ウィンドウ切り替えアプリです。
AltTab(無料)
Windows のAlt + Tabを Mac で再現するアプリ。macOS 標準のCmd + Tabはアプリ単位の切り替えですが、AltTab ならウィンドウ単位で切り替えられます。
同じアプリで複数ウィンドウを開いている場合(Chrome のウィンドウが 3 つあるとか)に特に便利。以前は HyperSwitch を使っていましたが、起動時に毎回アップデートダイアログが表示されるのがストレスで、AltTab に乗り換えました。AltTab は軽量でシンプル、余計なポップアップもなくて快適です。
海外で話題のLoop(無料・オープンソース)
ここからが本題。海外で評価が高いのに、日本ではまだあまり紹介されていないアプリたちです。
まず紹介したいのがLoop。開発者の Kai とデザイナーの Jace が作った、無料のオープンソースアプリです。海外の Mac アプリ系フォーラムで「Rectangle から乗り換えた」という声が多く、4 カ国(US、GB、DE、AU)すべての Google 検索で上位に表示されています。
Loopの特徴:ラジアルホイールUI
Loop の最大の特徴は、ラジアルホイールと呼ばれる円形のメニュー。ホットキー(デフォルトでは Option + Shift)を押しながらマウスを動かすと、画面中央に円形のメニューが表示されます。
操作方法
- 上方向:画面上半分に配置
- 下方向:画面下半分に配置
- 左方向:画面左半分に配置
- 右方向:画面右半分に配置
- 角方向:四分割の各位置に配置
- 中央:最大化
海外のレビューでは「マウスで直感的に操作できる」「ショートカットを覚える必要がない」という点が評価されています。僕も実際に試してみましたが、確かに Rectangle よりも操作が直感的でした。
Loopのキーボード操作
マウス操作だけでなく、キーボードでも使えます。
ホットキー + 矢印キー:各方向に配置
ホットキーを押しながら矢印キー連打:1/2 → 1/3 → 2/3とサイズを切り替え
特に「矢印キー連打でサイズを切り替え」が便利。海外のユーザーは「half, 1/3, 2/3 の 3 段階でサイズを変えられる」と評価しています。
Rectangleからの移行も簡単
Loop には Rectangle のキーバインドをインポートする機能があります。Rectangle に慣れている人でも、設定を引き継いでスムーズに移行できます。
インストール
brew install --cask loop
対応OS
- macOS 13 Ventura 以降
価格
- 完全無料(GPL-3.0 ライセンス、寄付受付あり)
タイリングウィンドウマネージャー:Aerospace
次に紹介するのはAerospace。これはいわゆる「タイリングウィンドウマネージャー」です。Rectangle や Loop とは根本的に考え方が違います。
タイリング型とは?
通常のウィンドウ管理アプリは「手動でウィンドウを配置する」のに対し、タイリング型は「ウィンドウを開くと自動で整列される」という仕組みです。Linux では i3 や Sway などが有名ですが、macOS でも使えるようになってきました。
他のタイリング型アプリとの比較
macOS のタイリングウィンドウマネージャーには、Amethyst や yabai などが Aerospace の他にもあります。海外のレビューでは、こんな比較がされています。
| アプリ | 特徴 | 評価 |
|---|---|---|
| Amethyst | 最も簡単に始められる | 拡張性に制限あり |
| yabai | 最も機能豊富 | SIP無効化が必要、設定が複雑 |
| Aerospace | バランス型 | 「ただ機能する」と高評価 |
特に yabai は「頻繁に再起動が必要」「外部モニターの接続・切断でトラブルが起きる」という問題が報告されています。Aerospace はこれらの問題がなく、安定性が高いのが特徴です。
Aerospaceの設定例
Aerospace は設定ファイルで細かくカスタマイズできます。
# ~/.aerospace.toml
# メインのホットキー
[mode.main.binding]
alt-h = 'focus left'
alt-j = 'focus down'
alt-k = 'focus up'
alt-l = 'focus right'
alt-shift-h = 'move left'
alt-shift-j = 'move down'
alt-shift-k = 'move up'
alt-shift-l = 'move right'
# ワークスペースの切り替え
alt-1 = 'workspace 1'
alt-2 = 'workspace 2'
alt-3 = 'workspace 3'
# 特定のアプリを特定のワークスペースに自動配置
[[on-window-detected]]
app-id = 'com.apple.Safari'
run = 'move-node-to-workspace 2'
Vim ユーザーならhjklでフォーカス移動できるので、直感的に使えます。海外のレビューでは「設定スクリプトが不要で、信頼性が高い」「モニターの接続・切断時のトラブルがない」という点が評価されています。
インストール
brew install --cask aerospace
Moom:外部モニターユーザー向け
外部モニターを頻繁に接続・切断する人にはMoomがおすすめです。
Moomの強み:レイアウトの自動復元
9to5Mac のレビューによると、Moom の最大の強みは「外部モニター接続時の自動レイアウト復元」。例えば、こんな使い分けができます。
- 自宅(外部モニターあり):ブラウザを右側、エディタを左側に自動配置
- 外出先(MacBook単体):全画面でエディタを使用
- プレゼン時:スライドを全画面、メモを別ウィンドウ
モニターの接続状態を検知して、保存したレイアウトを自動で復元してくれます。
価格と機能
Moom は有料アプリで、15ドルで購入できます(1 年間のアップデート込み)。9to5Mac のレビュアーは「no-brainer(迷う必要なし)」と評価しています。
実際、外部モニターを使う人にとっては、毎回ウィンドウを手動で配置し直す手間がなくなるので、15 ドルの価値は十分あると思います。
インストール
- Mac App Storeから購入
- または公式サイトから直接購入
用途別おすすめ
最後に、用途別のおすすめをまとめます。
とりあえず試したい人
→ Rectangle(無料)
日本・海外問わず一番おすすめされている定番。まずはこれを試してみて、物足りなくなったら他を検討すれば OK。
マウス操作も使いたい人
→ Loop(無料)
ラジアルホイール UI が直感的。キーボードショートカットを覚えるのが苦手な人にも向いています。Rectangle の設定をワンクリックでインポートできるのも嬉しいポイント。
キーボード操作を極めたい人
→ Aerospace
タイリング型で、ウィンドウが自動整列。Vim ユーザーならhjkl操作がそのまま使えます。yabai より設定が簡単で安定しています。
外部モニターを使う人
→ Moom(15 ドル)
外部モニターの接続・切断時に、保存したレイアウトを自動復元。在宅勤務と外出先を行き来する人には特におすすめ。
すでにBetterTouchToolを使っている人
→ BetterTouchToolのウィンドウスナップ機能
追加でアプリを入れる必要なし。スナップの認識が優しく、使い心地が良いです。
ウィンドウ切り替えも効率化したい人
→ AltTab(無料)
ウィンドウ管理アプリと併用推奨。Alt + Tabでウィンドウ単位の切り替えができるようになります。
まとめ
Mac のウィンドウ管理アプリは、定番の Rectangle、Magnet だけでなく、海外で話題の Loop、Aerospace、Moom など、選択肢が増えています。
個人的には、まず Rectangle を試して、物足りなければ Loop か Aerospace に乗り換えるのがおすすめです。外部モニターを頻繁に使う人は Moom、すでに BetterTouchTool を使っている人はそのままウィンドウスナップ機能を活用するのも手です。
あと、ウィンドウ管理と一緒に AltTab も入れておくと、ウィンドウ切り替えがグッと楽になりますよ。
自分の使い方に合ったアプリを見つけて、日々の作業を効率化してみてください。